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(2017/5/30 05:00)
■アクセスランキング・ベスト10(5/22~5/28)
1位 富士通、55歳以上のSEに活躍の場を-職種など選択肢拡大
3位 深層断面/半導体製造装置が絶好調! IoT拡大で成長続く
4位 富士ゼロックス、工場のスマート化加速−データ活用で検査レスへ
6位 川重、航空機部品工場を「スマート化」 777X向けから導入
7位 ユニプレス、メタルテックと車体部品 日産系・三菱自系が協業
8位 米サザンの原子炉建設、ベクテルなど入札へ-東芝傘下WHから引き継ぐ
9位 特許庁など欧米中韓の商標5庁、「悪意の商標出願」で国際連携
10位 ヤマザキマザック、美濃加茂2工場刷新 スマート化で生産能力5割向上
■解説:深層断面/半導体製造装置が絶好調! IoT拡大で成長続く(5/25)
半導体製造装置は日本企業が強みを持つ数少ない分野。ただ、残念なのは今後、大幅な需要増加が期待できる環境にあって、日本の半導体デバイスにかつての勢いがないことだ。クラウドコンピューティングが急速に普及する中、データセンター向けの外部記憶装置としてフラッシュメモリーによるソリッド・ステート・ドライブ(SSD)への置き換えが注目され、また未来の新市場を切り開くIoT、人工知能(AI)、自動運転向けでも半導体需要が盛り上がると期待されている。
翻って、話題の「東芝メモリ」売却案件での入札に参加するメーカーは海外勢ばかり。パワー半導体や特定用途向けのASICなどニッチな分野では頑張っているものの、日本の半導体デバイス全体としては世界の趨勢から取り残されているようにも映る。それに加え、海外のIT大手も半導体デバイスの開発に余念がない。米グーグルは自社開発のクラウド用AIチップ「TPU」の第2世代版を先日発表し、27日までの3番勝負で世界最強の囲碁棋士に完勝した改良型「アルファ碁」も、同チップを搭載したサーバーを使っていた。アップルもiPhone/iPad用マイクロプロセッサーの「Aシリーズ」に加え、音声認識や顔認識を行うモバイル向けAIチップの開発に乗り出すとブルームバーグが先週末に報じている。
国内の経営者で半導体の需要動向を的確に読み、先手を打っていたのはソフトバンクグループの孫正義社長だろう。ソフトバンクGは昨年、半導体設計大手、英アームを3兆3000億円で買収し、先ごろもデータセンターやスパコン、AI、自動運転向けGPUで台風の目となっている米エヌビディアの第4位の株主になったことが明らかになった。とはいえ、ソフトバンクG自体が半導体を開発したり、製造するわけではない。
かつて日本の旗印だった半導体による電子立国は、デバイスよりむしろ製造装置が支える構図が続くのか。いずれにしても国内勢の奮闘を期待したい。
(2017/5/30 05:00)