[ ロボット ]
(2017/5/31 05:00)
【千葉】千葉市と内閣府などは今年度中にも都市中心部での飛行ロボット(ドローン)による自律配送の実証実験を行う。操縦者が機体を直接見ない状態で、人のいない区域を自律飛行するレベル3に相当する。都市部でのレベル3の物流応用は日本初という。このシステムが人の上空をドローンが飛ぶ宅配システムの基盤になる。
千葉市・幕張のドローン特区で6月中に試験をはじめ、実証実験の公開も行う方向だ。自律制御システム研究所(千葉市美浜区、野波健蔵社長、043・305・5871)のドローンが、千葉県市川市にある楽天の物流倉庫から水路を通って東京湾に出て、幕張沿岸の公園に荷物を届ける。12キロ―15キロメートルのルートを想定する。これまでは安全のために人がドローンに並走して見守っていた。
レベル3に向けて気象や電波状況の監視システムや機体の異常検知システムを、ドローンの管制システムに統合する。積乱雲の発生など、リアルタイムに機体状態と周辺環境の変化を監視して、緊急時に遠隔指令で対応できるようにする。
想定ルートでは水路や湾内で漁船などの小型船舶や貨物船などの大型船舶と接近する。船舶の上空を飛行しないように、小型船舶は船舶群がいる一帯を避けて、大型船舶は並走して交差しないように飛行する。
墜落時の安全設計などを進め、人のいる地域を自律飛行するレベル4につなげる。現行制度では墜落などからの安全を確保するために、原則として目視できる範囲の飛行に限られている。
目視外飛行は国土交通省がフライトごとに管理体制を吟味して個別に承認してきた。都市中心部でのレベル3の技術要件が明確になればドローン配送などの事業の見通しが立つ。同特区では2019年の事業化を目指している。
(2017/5/31 05:00)