[ ICT ]
(2017/6/6 07:30)
米アップルは5日に開幕した世界開発者会議(WWDC)の基調講演で、音声対話機能「Siri(シリ)」を内蔵したネット接続のスピーカー端末「ホームポッド(HomePod)」を発表した。アップルとしては2015年に発売した「アップルウォッチ」以来の新ジャンルの製品。音楽再生時の音響性能の高さを売り物に、この分野で先行するアマゾン・ドット・コムやグーグルに対抗する一方、スマートホーム向けのサービス事業を開拓する。
ホームポッドはスクリーンがなく、全体をメッシュ素材で包んだ繭のようなデザイン。アップルの音楽配信サービス「アップルミュージック」で音楽を楽しめるように音質を追求。音楽関連の情報も含めてSiriの機能も強化したという。価格は349ドル(約3万8500円)。音声は英語のみで、12月に米国、英国、豪州で出荷開始の予定。18年以降、日本などでも発売する。色は白と黒の2色から選べる。高さ172ミリメートル、直径142ミリメートル。重さ2.5キログラム。
スピーカー機能としては、低音再生用に上向きのウーハー、水平方向360度をカバーする7個の高音用ツイーターを内蔵。部屋の音響状態を分析し、壁際や棚、部屋の中央など置かれた位置に合わせて音楽が最適に聴こえるよう音の向きなどを自動調整する。また、同じ部屋にホームポッドを2台設置した場合、両者で音のバランスを調整し合って自然に聴こえるようにする。そのほか、6個のマイクを内蔵、音楽再生時でも音声指示をきちんと聞き取れるという。
対話機能としては、タイマーや、時間、ニュース、スポーツ、天気、株価、交通状況など一般的な問いかけに答え、英語から中国語、フランス語などほかの言語への音声翻訳も可能。さらに、アップルの家庭向けIoT(モノのインターネット)インターフェース「ホームキット」を介して、照明はじめエアコン、シェード、ガレージの扉、セキュリティーカメラなどホームキット対応の家庭用機器を音声で操作できる。
調査会社の米ストラテジー・アナリティクスによると、ネット接続のスピーカー端末は2016年第4四半期だけで前年同期比600%近く増加し、420万台が出荷された。メーカー別ではアマゾンが88%、グーグルが10%を占めるという。
(2017/6/6 07:30)