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[ 科学技術・大学 ]
(2017/6/14 05:00)
ペプチドリームと宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、微小重力と気温4度Cの環境を組み合わせ、地上では難しかったたんぱく質の高品質な結晶を作ることに成功した。国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」を利用。疾患に関わるたんぱく質の詳細な形状が明らかになると期待され、創薬の研究開発が加速しそうだ。
2月24日―3月18日まで「きぼう」において、高品質な結晶を得ることを目的とした4度Cでのたんぱく質結晶化実験を実施。遺伝子に異常をきたすと、がん遺伝子として働く「HER2」のたんぱく質と、このたんぱく質に結合して働きを抑える薬剤の候補化合物を結晶化した。
結晶生成後、地上に持ち帰った結晶を大型放射光施設(SPring―8)のX線で解析。0・25ナノメートル(ナノは10億分の1)の空間解像度で、HER2と同薬剤候補化合物の結合の様子を明らかにした。従来ISSでのたんぱく質の結晶化は20度Cで行っていた。
今回の結果を踏まえ両機関は契約を結び直し、8月からの3年間と従来の契約期間を倍増。さらに高品質のたんぱく質結晶生成実験において、現在の6倍の30種類の試料を取り扱う契約を結んだ。
(2017/6/14 05:00)
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