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[ 科学技術・大学 ]
(2017/6/20 05:00)
国立長寿医療研究センターの関谷倫子研究員と飯島浩一研究室長らは、細胞内のたんぱく質の品質を管理する器官「小胞体」で、たんぱく質「EDEM」を増量すると、神経細胞などの細胞死が抑えられることを突き止めた。ハエの実験で明らかにした。アルツハイマー病などの神経変性疾患の予防や治療法の確立が期待される。
小胞体では、蓄積した異常なたんぱく質を除去する際に「小胞体ストレス応答」が起きる。この応答は強力な防御機構だが、細胞が正常に維持されない場合は細胞死を引き起こす。神経変性疾患の患者では、慢性的に応答の上昇が起きる。
研究チームは小胞体内で異常たんぱく質を除去する働きをもつEDEMに着目。神経変性疾患モデルのハエを使い、EDEMを約2倍の量に増やすと神経細胞死が抑えられることを明らかにした。
さらに神経細胞以外の腸や筋肉の細胞でEDEMを増加させると、老化に伴う運動機能低下が抑えられ、寿命延長の効果も見られた。国立遺伝学研究所と首都大学東京との共同研究で、成果は20日、米科学誌デベロップメンタル・セルに掲載される。
(2017/6/20 05:00)
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