[ 機械 ]
(2017/6/21 05:00)
【鳥取】寺方工作所(鳥取県北栄町、寺方泰夫社長、0858・36・4311)は、300度C前後と比較的低温で温間加工することで、プレス加工品を精密に成形する技術を開発した。ステンレスの加工では磁化や加工硬化を抑えられ、鋼では極厚材でも角部分の変形(ダレ)がなく加工できる。医療機器や精密機器、自動車などの部品の付加価値加工として提案する。
寺方工作所が開発した技術は、順送型など一般的なプレス金型を改造し、温度を300度C前後に精密制御して成形する。通常の冷間金型を後付けで改良することもできる。
ステンレス(SUS304)の場合、通常の冷間プレスではつぶせばつぶすほど組織が変化して磁化したり、硬度が上昇して金型では加工できなくなったりする。一方、温間加工では磁性を帯びず、硬度はHV(ビッカース硬さ)350―400程度を上限に止まる。こうした特性を生かし、医療機器や精密機器など、非磁性かつ高硬度が求められるような部品への適用を目指す。一方、機械構造用鋼やクロムモリブデン鋼などの加工では、打ち抜いたワークの角部分が丸く変形する「ダレ」を、通常の冷間加工の5分の1以下に抑えられ、きれいな垂直面が得られる。加工面の面粗さも、冷間加工に比べて3倍以上滑らかになるという。
極厚材を打ち抜いてプレスで精密加工することが可能になり、従来の旋盤などによる機械加工からの置き換えを狙っていく。
(2017/6/21 05:00)
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