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[ 科学技術・大学 ]
(2017/6/22 05:00)
名古屋大学は産学共同研究に参加する博士課程の学生を、年俸約300万円でフルタイム雇用する新制度を始めた。博士研究と共同研究のテーマがほぼ同一の特に優れた学生に対し、共同研究費の一部から給与を支給する。学生でありながら社会人として位置付けることで、企業ニーズの高い守秘義務や研究進捗(しんちょく)管理も進むと期待されそうだ。
この「研究員(学生)制度」は産学共同研究費を原資に、大学側が博士課程後期の学生をフルタイムの契約社員として雇用する仕組み。対象プロジェクトの限定はない。第1号は文部科学省の支援事業「産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム」(OPERA)の中で、数人を対象に実施した。
博士学生支援で一般的なリサーチアシスタント(RA)制度は、学業優先が前提であり、単価や時間はさまざまだ。名古屋大の標準では時給1500円、最大週20時間のため、多くて年150万円程度だった。
しかし講義の受講がなく共同研究が博士研究と重なるケースなら、裁量労働制の研究者と見なせると判断。新制度では年俸288万円(月額24万円)に設定した。
学生は両親らの扶養家族から外れ、社会保険に加入し、奨学金の受給資格喪失の可能性があることに注意がいる。
博士学生はこれまで、産学共同研究に関わっても雇用関係がないため、守秘義務など責任や研究管理があいまいなままだった。学会発表の段階で企業が内容の公表に難色を示し、博士号取得が遅れるといった懸念もあった。今回は教員の指導を受けながらも、博士研究員(ポスドク)と同じく一人前の研究者と扱われることになる。
(2017/6/22 05:00)
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