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[ 科学技術・大学 ]
(2017/6/22 05:00)
東北大学材料科学高等研究所と同大流体科学研究所の寒川誠二教授、肥後昭男助教(現・東京大学助教)らは、直径5ナノメートル(ナノは10億分の1)の窒化インジウムガリウムと窒化ガリウムの3次元構造を持つ量子ドット(量子ナノディスク)を作製し、従来比約100倍に発光効率を高めることに成功した。次世代の高効率な窒化物量子ドット発光ダイオード(LED)の実用化につながる。
独自の「バイオテンプレート技術」と中性粒子ビーム加工技術を組み合わせ、均一で高密度、かつ損傷の少ない量子ナノディスクを作製した。トップダウン加工(ドライエッチング)で作った量子ドットとしては世界最小寸法だという。
光を検出するフォトルミネッセンス法により、量子ドットの発光と発光強度の温度依存性を測定した結果、ドライエッチングによる量子ドットとしては初めて、従来の窒化物の量子井戸構造(電子を半導体などで閉じ込めたもの)の量子効率を約100倍と大幅に上回った。
究極のグリーンテクノロジーと言われる、全波長領域の高効率な量子ドットLEDや、量子ドットレーザーの実現が近づく。
東北大金属材料研究所の谷川智之講師、北海道大学大学院の村山明宏教授と高山純一技術職員、北見工業大学の木場隆之助教らとの共同研究。
成果は米化学会発行の科学誌ACSフォトニクス電子版に22日、掲載される。
(2017/6/22 05:00)