[ 科学技術・大学 ]

銀河系の進化解明へ新発見−“すす”に覆われた星、東大が「バルジ」領域で発見

(2017/6/22 05:00)

  • 【P説】銀河系バルジの中で発見した、すすに覆われた星の画像(東大提供)

東京大学大学院理学系研究科の松永典之助教らは、我々が住む太陽系が属する銀河系の中で数百億個の星が集まる「バルジ」という領域を観測し、炭素を主成分とする“すす”に覆われた星を発見した。同領域では酸素より炭素が多い星はほとんどないとされていた。南アフリカ天文台の大型望遠鏡を利用し、他と異なる少数派の星の存在を明らかにした。銀河系の進化の解明につながる可能性がある。

銀河系バルジは地球から2万5000光年(1光年は光が1年間に進む距離で9兆4600億キロメートル)の距離にある。研究グループは、星自身の膨張や収縮により100日から数年間の周期で明暗を繰り返す「ミラ型変光星」に着目。銀河系バルジの方向ですでに見つかっている6500個以上のミラ型変光星の中から30個の星を観測し、銀河系バルジの中で酸素より炭素が多いミラ型変光星を4個発見した。

松永助教は「星の内部において核融合で作られた炭素が表面にまで持ち上げられたのかもしれない。もしくは炭素を持つ星が宇宙空間に炭素を放出し、近くの星の表面に降り積もらせたとも考えられる」と今回発見した星の形成の可能性について語った。

南アフリカ天文台との共同研究。成果は21日、英王立天文学会誌電子版に掲載された。

(2017/6/22 05:00)

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