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[ 自動車・輸送機 ]
(2017/6/26 12:30)
欠陥エアバッグのリコール(回収・無償修理)問題で業績が悪化していたタカタは26日午前、民事再生法の適用を東京地裁に申請、受理された。東京商工リサーチによると、自動車メーカーが立て替えているリコール費用を含め負債総額は約1兆7000億円の見通し。世界の自動車業界を揺るがす史上最大のリコールは、日本の製造業では戦後最大の経営破綻に発展した。タカタ株は7月27日付で上場廃止になる。
高田重久会長兼社長(51)は26日午前、東京都内で記者会見し、「関係者に多大なご迷惑をお掛けすることになり、心より深くおわびする」と陳謝。2018年3月末までに辞任する意向を表明した。
タカタは、米自動車部品会社キー・セイフティー・システムズ(KSS)の支援を受けながら、裁判所の管理下で再建を目指す。再生手続き開始後の運転資金を確保するため、三井住友銀行から上限250億円の事業再生融資を受けるほか、自動車メーカーからも資金繰りを支援してもらう。
タカタは26日、ほぼ全ての資産と事業を約1750億円(15億8800万ドル)でKSSに譲渡することで基本合意した。KSSは、タカタの事業を実質的に全て統合し、雇用や国内工場を維持する。世界23カ国に展開する従業員約6万人の世界屈指の自動車部品メーカーとなる見込みだ。
タカタのほか国内子会社2社も再生法適用を申請。海外子会社12社も、米連邦破産法11条に基づき米裁判所に再生手続き開始を申し立てた。タカタは再生手続きを18年6月までに終えたい考え。
タカタは、エアバッグとシートベルトで2割の世界シェアを持つ。エアバッグの異常破裂により米国で11人、マレーシアで5人が死亡し、リコール対象は最終的に1億個を超える見通しだ。
高田氏ら現経営陣は、裁判所を通さず関係者の話し合いで再建を目指す私的整理を模索。だが、リコール費用の大部分を一時的に肩代わりしている自動車メーカーなどは法的整理を求めていた。(時事)
(2017/6/26 12:30)