[ 機械 ]
(2017/6/28 05:00)
【長野】オリオン機械(長野県須坂市、太田哲郎社長、026・245・1230)は27日、水素ステーション向けに小型・低コスト化した熱交換器を産学官連携で開発したと発表した。燃料電池車(FCV)に供給する水素を冷却する機器で、価格は2014年開発当初の市場価格に比べ2分の1以下、質量は従来方式に比べて約30%減とした。11月に製品化し、22年にはチラーとセットの売上高で10億円を目指す。
高圧の水素はFCVに供給すると膨張し高温になるため、あらかじめマイナス40度Cまで冷やす必要がある。開発したのは波板を重ねた伝熱プレートに水素や冷媒を循環させて冷やすプレート式熱交換器。
流体解析などで流路形状を最適化し、流れと温度分布を均一化。熱交換性能の向上と圧力損失の低減で、プレート枚数や寸法を減らしたことでコスト削減と質量減につながった。伝熱プレートの接合には低圧拡散接合技術を開発し、135メガパスカルの耐圧性能を確保した。
開発は経済産業省の戦略的基盤技術高度化支援事業に採択され、信州大学工学部、長野工業高等専門学校、長野県工業技術総合センターなどと連携した。
オリオン機械は国内の水素ステーション向けに、自社生産する同熱交換器と低温チラーの組み合わせで22年にシェア70%を目指す。
(2017/6/28 05:00)
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