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[ 自動車・輸送機 ]
(2017/6/30 05:00)
【横浜】コイワイ(神奈川県小田原市、小岩井豊己社長、0465・44・2015)は、九州大学などと連携し「高強度アルミニウム合金積層体」を開発した。既存のアルミより約1・5倍の強度を持つ。1年後をめどに強度を6000系・7000系のアルミ材(ジュラルミン)に近づける。強度が高く、積層造形でき、航空機の複雑な構造体などへの活用が期待できる。
金属積層工法で使うアルミ合金は、ケイ素やマグネシウムを添加しており、引っ張り強度は300メガパスカル程度にとどまる。また、3Dプリンターによる金属粉末積層工法では現在、ジュラルミンの造形はきわめて難しい。
新アルミ合金は既存のアルミ合金に使うケイ素などとは異なる元素を添加する。引っ張り強度は、400メガ―500メガパスカル。元素の添加はジュラルミンより少なく、安価に製造が可能という。
新アルミ合金は、東洋アルミニウム、九大、千葉工業大学との産学連携で実現した。九大、千葉工大などの知見を基に東洋アルミが素材を開発、その材料をコイワイが成形・製造した。特許も出願済み。今秋に軽金属学会で詳細を報告する。
海外では、米ゼネラル・エレクトリック(GE)や独シーメンスなどが金属粉末積層工法を試作・研究開発から量産品へと広げつつある。
コイワイは3月に宇宙航空分野の規格「JISQ9100認証」を取得。航空機部品の量産体制を構築している。
(2017/6/30 05:00)