[ ロボット ]
(2017/7/6 16:00)
米グーグル親会社のアルファベット傘下で人工知能(AI)を研究する英ディープマインドが、カナダ・アルバータ州エドモントンに今月末、研究所を設立すると発表した。「強化学習」分野で先駆的なAI研究を行うアルバータ大学と緊密に協力し、同大の研究者を雇い入れながら、教師なしで複雑問題に対処できるAI研究を進展させる。ディープマインドにとって英国以外の研究拠点は初めて。
強化学習とは、人間が経験から学ぶように、それまでの経験をもとにして良い結果を再現し、悪い結果を避けようとするAI機能の一種。「ディープマインド・アルバータ」と名付けた研究所は、アルバータ大学でコンピューター科学を専攻するリチャード・サットン、マイケル・ボウリング、パトリック・ピラースキーの3人の教授が率い、3人は同大の機械知能研究所に籍を置いたまま、大学院生の教育も手掛ける。
研究所ではこれ以外に7人の研究者を抱え、その多くは米サイエンス誌に5月に掲載された「ディープスタック (DeepStack)」についての論文の共著者だという。「ディープスタック」はポーカーの一種「テキサス・ホールデム」についてのAIソフトで、プロプレーヤーに匹敵する実力を持つ。
もともとディープマインドとアルバータ大学の関係は深く、世界有数のコンピューター科学者でもあるサットン教授は、ディープマインドが2010年に設立されて以来のアドバイザー。さらに同大出身者が10人ほどディープマインドで働いており、5月に人間最強の囲碁棋士に完勝した囲碁AI「アルファ碁」でも、強化学習の開発で彼らが重要な役割を果たしたという。
(2017/7/6 16:00)