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[ 科学技術・大学 ]
(2017/7/11 05:00)
国立がん研究センターとNECは10日、人工知能(AI)技術を使った大腸内視鏡検査支援システムを開発したと発表した。ポリープを正診率98・8%で検出し、早期病変の見逃しを防ぐ。良性悪性の診断や切除については別途医師が判断する。人間の医師の内視鏡検査の見逃し率は20%以上とされていた。2019年度に薬事承認に向けた臨床試験を始める。
NECが深層学習を活用して病変検出AIを開発。国立がん研のもつ大腸がん5000病変分の検査画像と、病変のない画像13万5000枚をAIに学習させた。検査中にカメラに病変が映り込むと、病変の位置を特定して医師に知らせる。リアルタイム検出するため、医師は指摘箇所を注意深く検査できる。
病変の検出感度は98%で見逃し率は2%。病変ではない組織を病変と誤診する例は1%だった。直径2ミリメートル程度の小さなポリープや平らな病変を検出できることも確認した。
人間の医師の見逃し率は直径5ミリメートル以下の腺腫性ポリープで27%、6ミリ―9ミリメートルのポリープで13%とされている。今後、幅広い医療機関で活用できるように計算負荷を軽減していく。
(2017/7/11 05:00)