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[ エレクトロニクス ]
(2017/7/24 05:00)
カシオ計算機は、8月にタイの生産拠点で関数電卓の自動化ラインを立ち上げる。人手不足と今後の増産に対応する。従来の手組みに比べ1ライン当たりの作業者を約3分の2に減らし、生産速度を1・6倍に上げる。需要動向を見ながら、2019年をめどに現在の生産ライン12本のうち8本を自動化する。タイでは人件費が高騰する傾向にある。今後、手作業の方が低コストだった小型製品の自動化が広がりそうだ。
カシオは時計事業に次ぐ柱として、数学や語学向け製品の教育事業を育成している。関数電卓は数学向けの主力製品。海外の学校で一般的に使われており、授業や試験にも持ち込める。
同社は大手2社の1社で、安定して10%以上の営業利益率を確保してきた。早期に年3000万台(現在2500万台)へ出荷を引き上げるため、生産自動化を進める。
タイは同社の関数電卓の主力拠点。新ラインは、数字などの主要ボタンやゴム製ボタンの挿入、ビス締め、ボタンを押下した時の表示確認検査などを自動化した。既存ラインではつながっているボタンを、コンベヤーの横の作業台で加圧能力2トンのプレス機で切り離して組み付けていた。
新ラインは圧力を受け止める仕組みを入れたパレットの導入と、プレス圧を500キログラムにしたことで、コンベヤー上で組み立てられる。また、全機種の生産に対応し、コスト低減できるよう工夫した。
1ライン当たりの作業者は手組みの18人から11・5人となる。まず1ラインを稼働させて改善し、次のラインに反映させる。今後、自動化の範囲を広げ、最終的に1ライン当たり9人を目指す。
(2017/7/24 05:00)