大王製紙、高強度のシート状ＣＮＦ サンプル供給

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大王製紙は８月から微細な木質繊維（パルプ）であるセルロースナノファイバー（ＣＮＦ）と通常の製紙用パルプを複合化したシート状成形体（写真）をサンプル供給する。

ＣＮＦ含有率５０―８０％で混練し、大きさ２８０ミリ×１７０ミリメートル、厚さ０・２ミリ―０・５ミリメートルのシート状に仕上げる。加工は金型メーカーのヤマセイ（松山市）に委託。同社は愛媛県と、えひめ産業振興財団の助成を受け、ＣＮＦ成形体の加工技術開発に取り組んでいる。

シート状成形体はＣＮＦ含有率８０％の場合、ポリエチレン（ＰＥ）やポリプロピレン（ＰＰ）などの汎用プラスチック材料に比べ、引っ張り弾性率が常温帯の２３度Ｃで約５倍の１３ギガ―１７ギガパスカル（ギガは１０億）、高温帯の９０度Ｃで約２０倍の１０ギガ―１２ギガパスカルと高強度。

大王紙は昨春、年産能力１００トンのＣＮＦ実証生産設備を稼働。すでにＣＮＦを水の中に２％程度分散させたゲル状にして、サンプル供給している。