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[ エレクトロニクス ]
(2017/8/7 05:00)
東芝が提出を延期している2017年3月期の有価証券報告書(有報)に対して、監査法人PwCあらたが「適正意見」を出す見通しであることが6日までに分かった。全く問題なしの「無限定適正意見」、もしくは一部不適切だがその重要度は低いという「限定付適正意見」のいずれかを10日までに発表する見通し。17年4―6月期決算について問題なしの結論を得て同日までに公表する可能性がある。お墨付きを得た決算を提出し上場維持につなげたい意向。
先週末時点ではPwCあらたが、17年3月期有報に「不適正意見」を付ける可能性があったが、現時点では低いという。東芝関係者は「適正意見で(有報提出の)準備を進めている」という。
東芝は米国での原子力発電所建設をめぐり、6000億円規模の損失を17年3月期決算に計上する意向。これに対しPwCあらたは、16年3月期に損失を認識していた可能性を指摘。十分に調査し両者で考えを一致させるため、17年3月期有報の提出を期限の6月末から延期した。
関係者によると、PwCあらたは16年3月期に計上すべきと主張する一方、具体的な損失額を確定するまでの監査証拠は得ていないもよう。
専門家からは「確たる証拠がない以上、限定付適正意見、もしくは追記情報を付けた無限定適正意見でも問題ない」(八田進二青山学院大学教授)との指摘があがっていた。
17年4―6月期決算は適正意見が付く余地が大きい。問題となっている損失の認識時期にかかわらず、17年3月末時点の貸借対照表の数値は確定済み。同期決算はいわば正常な状態からスタートしており、「適正意見の表明を妨げるほどのリスクはない」と金融関係者はみる。
(2017/8/7 05:00)