[ 政治・経済 ]
(2017/8/14 05:00)
日本企業が米州(北米と中南米)で稼ぐ構図が定着してきた。日本貿易振興機構(ジェトロ)が主要な上場企業176社の地域別の海外売上高比率を調べたところ、2016年度に米州の割合が26%に達し、4分の1を超えた。米国の景気拡大を背景に米州の比率は5年連続で上昇しており米州が文字通り“ドル箱”に育っている。
ジェトロの調査によると、米州の比率は16年度に26・3%と、15年度から0・4ポイント上昇した。一方、アジア大洋州は18・4%から17・3%に、欧州は8・9%から7・8%にそれぞれ低下した。アジア大洋州は、中国の景気減速が響き、2連続で縮小。欧州もけん引役に欠け、2年連続で低下した。
米州の比率はリーマン・ショック後の08年度と09年度に12%台まで下がったが、13年度に20%を超える水準まで回復。近年は伸び続けている。一方、アジア大洋州は、12年度以降、17―18%前後にとどまり、20%の大台を超えきれていない。
業種別では自動車など輸送機械の米州比率が31・3%と最も高く、機械・電気製品(11・6%)、素材・素材加工品(6・8%)に比べて米州への依存度が高かった。一方、素材系と機械・電気はアジア大洋州比率が高く、素材系が29・7%、機械・電気は19・3%だった。
製造業全体では海外比率が57・7%となり、米州が27・1%、アジア大洋州が17・5%、欧州が8・0%、その他が5・1%だった。非製造業は海外比率が32・9%で、アジア大洋州が13・8%と最も高く、米州が8・9%、その他が6・9%、欧州が3・2%の順番だった。
この調査は、16年12月期―17年3月期の上場企業の決算短信や有価証券報告書を基に、ジェトロが実施した。
(2017/8/14 05:00)