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[ エレクトロニクス ]
(2017/8/18 05:00)
【神戸】計算科学振興財団(神戸市中央区、秋山喜久理事長、078・599・5020)は、産業向けスーパーコンピューターシステム「FOCUS(フォーカス)スパコン」を増設し9月1日から共用を始める。最も高性能なシステムにスパコン12台を追加し、演算能力を現状比1・5倍に高める。導入費用は約2500万円とみられる。増設により、2017年度の利用数は過去最高だった16年度実績(163法人)の更新を狙う。
FOCUSスパコンは現在、八つのシステムが稼働する。この中で最も演算性能が高い「Fシステム」を増強する。導入するスパコンは富士通製。1秒間に実行できる総理論演算性能は、39テラフロップス(テラは1兆、フロップスは浮動小数点演算性能)になる。
Fシステムは16年10月に共用を開始。17年4月に人工知能(AI)を搭載したスパコンを2台導入するなど、段階的に増強している。
企業などが製品開発やシミュレーションを行う際、FOCUSスパコンを利用する事例が増えており、毎年増加傾向にある。17年度の利用実績は、7月時点で151法人に上る。過去最高だった16年度を上回るペースで推移しており、特に演算能力が高いFシステムの引き合いが増えているという。FOCUSスパコンは年間を通して秋冬の稼働が最も多く、繁忙期を見越した導入により混雑の緩和につなげる。
また、スパコンの処理から得たデータを、利用者が保有するパソコンに転送するための回線も増設した。増設した回線の速度は毎秒1ギガビット(ギガは10億)。
転送速度を2倍に高めており、従来よりデータ転送の遅延が起こりにくい。
(2017/8/18 05:00)
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