[ 政治・経済 ]
(2017/8/19 10:00)
米ホワイトハウスは18日、トランプ大統領がサイバー軍を統合軍に格上げするよう指示したと発表した。サイバー軍はこれまで戦略的抑止力や宇宙部門を運用する米戦略軍の一部として、副統合軍と位置付けられていた。指揮命令系統も簡素化し、サイバー攻撃の抑止や攻撃があった場合の対応が迅速に行えるよう、体制を強化する狙いがある。
サイバー空間が陸・海・空・宇宙に続く「第5の戦場」と呼ばれ、中国やロシアなど国同士はもちろん、サイバー犯罪組織などとの攻防が激しくなっている。そうした脅威の高まりを受け、オバマ政権時の2009年に米サイバー軍が創設された。
ただ、その司令官は、国防総省の諜報機関である米国家安全保障局(NSA)長官が兼任する形をとってきた。もともとNSAは電子機器による情報収集や情報の分析・蓄積が活動の主体。米メディアによれば、こうした事情も含め、オバマ前大統領もサイバー軍の格上げとNSAとの指揮系統の分離を検討していたという。
統合軍はほかに米太平洋軍、米中央軍、米特殊作戦軍などがあり、担当地域や任務ごとに陸海空軍および海兵隊を統合して編成した軍隊。部隊の作戦指揮を各統合軍の司令官が執り、任務遂行が迅速に行えるとされる。
(2017/8/19 10:00)