- トップ
- 自動車・輸送機ニュース
- 記事詳細
[ 自動車・輸送機 ]
(2017/8/23 05:00)
自動車メーカーが先端技術の研究開発体制強化に乗り出す。日産自動車は外部委託を進め、自社は中核となる新技術や基本性能の開発に注力する。ホンダは中国で他社との連携拠点の設置を検討する。トヨタ自動車は2018年に国内で先端技術の研究開発施設を新設する。自動車業界では、異業種を交えた自動車の先進化に向けた競争が激しさを増す。各社は自社の特徴を生かしつつ技術トレンドに対応する商品作りに迫られている。
日産は今後、自動運転や環境対策に関連する先進技術、自動車の基本性能の研究開発に集中する。製品開発を担う組織の業務を細分化し、ソフトウエアのコーディングやバグチェックなどは、海外企業への委託を増やす。18年には開発組織の体制見直しも検討する。
業務負荷を軽減し、自社では「“日産らしさ”を発揮できる技術開発と、その技術を車に変換する仕事を中心に展開する」(坂本秀行副社長)方針。例えば、電気自動車(EV)の加速性能や自動運転時のハンドリングの良さなど日産の個性となる技術を一層高め、商品競争力につなげる。
自動車メーカーの開発量は膨大になる傾向にある。このため各社は自社の開発リソースの充実とともに、他社との連携に乗り出す必要に迫られている。
トヨタは本社工場(愛知県豊田市)内に先端技術の研究棟を建設し、18年春をめどに稼働する。燃料電池車(FCV)を中心に環境分野などの研究開発に取り組むとみられる。関連する部署から人員を集め、研究設備も拡充。開発のスピード化を狙う。25年ころには研究開発施設やテストコースを含めた大型拠点も開設する予定だ。
ホンダは海外の異業種企業との連携を促進する。中国で外部の知見との組み合わせで新技術・製品を生み出す「オープンイノベーション」の拠点設立を検討。現地企業と連携し、コネクテッドカー(つながる車)やシェアリングの分野での製品・サービス開発を加速する。
(2017/8/23 05:00)