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[ 科学技術・大学 ]
(2017/8/30 05:00)
東京理科大学の竹村裕准教授と産業技術総合研究所の多田充徳デジタルヒューマン研究グループ長らは、靴などに収まるサイズの小型慣性センサーにより、歩いた軌跡や足の高さを推計する技術を開発した。歩幅や周期、地面と足の距離などを記録することで、装着者や場所ごとの転倒リスクをあらかじめ推定できる。2020年開催の東京五輪・パラリンピックに向けてスタジアム周辺の転倒リスクの高い場所を洗い出すなどの利用法を提案する。
加速度や角速度などを計測する小型慣性計測センサー(IMU)を足に着けて動きを推計する。加速度を積算すると移動量を推定できるため、どの方向に何メートル歩いたかがわかる。
平地を歩いた際の地面と足の距離の推定精度は、18ミリメートル当たり±4・6ミリメートル。階段の昇降では9・8ミリメートル当たりプラスマイナス2・6ミリメートルだった。
立ち止まったタイミングで積算誤差を消去することで、推計精度を高めた。一般的に、歩行中に足が上がらなくなると段差などにひっかかりやすくなり、転倒リスクが高まる。
歩行周期の乱れなどから、つまずきを検出することも可能だ。たくさんのセンサー装着者がいろいろな場所を歩くことで、つまずきの多い場所を特定できる。
転倒リスクの高い場所は段差を視認しにくかったり、階段の幅が不規則だったりと、歩行者が気付かない要因も多い。段差の色を変えて注意喚起を促したり、段差そのものをなくしたりするなど、装着者の転倒しやすさと、場所ごとのリスクがわかれば改修法を選びやすい。
(2017/8/30 05:00)
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