[ 政治・経済 ]
(2017/9/4 05:00)
内閣府は8日に発表する4―6月期の国内総生産(GDP、季節調整値)改定値について、8月に発表した速報値で示したGDPや設備投資を下方修正する可能性が出てきた。財務省がまとめた4―6月期の法人企業統計調査(金融業を除く)によると、全産業の設備投資(季節調整値、ソフトウエアを除く)は前期(1―3月期)比2・8%減と3四半期ぶりに減少した。同調査はGDP改定値に反映されるため、設備投資が鈍化している状況が示される可能性がある。
内閣府は8月に発表した4―6月期のGDP速報値で、設備投資は前期比2・4%増、実質GDPは同1・0%増(年率換算4・0%増)と高い伸び率を示していた。
これに対し4―6月期の法人企業統計調査(資本金1000万円以上)では、全産業の設備投資は前年同期比1・5%増の微増にとどまり、季節調整値(ソフトウエア投資を除く)では前期(1―3月期)比2・8%減と減少した。製造業は同5・4%減、非製造業も訪日観光客の増加に伴う宿泊施設への投資が堅調だったが同1・4%減。内閣府のGDP速報値とは対照的な統計結果になった。
4―6月期の法人企業統計によると企業収益は好調だ。全産業の経常利益は前年同期比22・6%増の22兆3900億円と過去最高を更新した。新型車の販売が好調だったほか、原油などの資源価格上昇が奏功し、中でも製造業は前年同期比46・4%増と大幅な増益。非製造業も同12・0%増と利益を拡大させた。
ただ内部留保を示す利益剰余金も同6・3%増の388兆3306億円に膨らみ、利益が設備投資に十分に回っていない。北朝鮮情勢の緊迫化なども懸念される中、投資マインドの先行きが懸念されてきた。
(2017/9/4 05:00)