[ ICT ]
(2017/9/5 10:00)
(ブルームバーグ)米グーグルの親会社、アルファベットが新たな持ち株会社を設立する。ウェブ検索事業から進化を遂げてきた同社が再編を完了することになる。グーグルのほか、ヘルスケアや自動運転車など幅広い分野の企業をそれぞれ分けて影響が及ばないようにする。米連邦通信委員会(FCC)への1日の届け出で明らかにした。
持ち株会社の名前は「XXⅥホールディングス」。グーグルを含むアルファベット各社の株式を保有する。これにより、自動運転車開発を手掛けるウェイモや医療機器・ヘルスデータを扱うベリリーなど他部門からグーグルを法的に分離することになる。
グーグルの共同創業者、ラリー・ペイジ氏は同社から独立して業務を行う新規事業を育てるため、2年前にアルファベットの設立を発表したが、「アザーベッツ」と呼ばれるこうした事業は厳密には依然としてグーグルの子会社だった。1日公表された構造では、アザーベッツはグーグルと同じ法的立場でアルファベットの子会社となる。
また、グーグルは有限責任会社(LLC)の形態を取る。アルファベットの広報担当者、ジーナ・ウィークリー・ジョンソン氏は、これでグーグルの納税方法が変わるわけではないと説明。グーグルが公開企業から持ち株会社傘下の事業会社に移行することに一部関連したものだという。
ロサンゼルスの法律事務所バカルターのリティゲーター、ダナ・ホバート氏は「親会社は分離によりLLCが持つさまざまな責任のエクスポージャーを限定することができる」と指摘。「例えばLLCの一つが負債を抱えている場合、当該債務の返済責任は最終的にそのLLCだけが持つことになる」と述べた。
株式会社は、財務情報の開示を見込む公の投資家からの資金調達を目的に設立されることが多い。グーグルも2004年の新規株式公開(IPO)でそうしたが、今後投資家は事実上一つだけとなり、開示義務もなくなる。ウェイモも同じくLLCだ。
原題: Alphabet Finishes Reorganization With New XXVI Company (1)(抜粋)
(2017/9/5 10:00)