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(2017/9/6 05:00)
ヤンゴン発
2017年09月05日
経済成長を支える電力の不足が深刻なミャンマーで、オーストラリアのウッドサイド・エナジーが天然ガス田を発見した。国内で産出された天然ガスの8割は輸出されており、新たなガス田が国内のエネルギー不足の改善につながることが期待されている。
国内産出天然ガスの8割は輸出用
オーストラリアのウッドサイド・エナジーは8月7日、ラカイン州西岸部でガス田を発見したと発表した(同社プレスリリースPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。現在、ミャンマー国内にガス田は4カ所あるが、国際エネルギー機関(IEA)によると、これらのガス田で採掘された天然ガスの8割は中国やタイに輸出され、ミャンマー国内への供給は2割にとどまる。軍政時代の1990年代後半から2000年代にかけて、外貨不足を補うため、外資主導で大型ガス田の開発が進められたが、輸出契約などにより、現在も産出されたガスを国内供給用に容易に切り替えられない事情がある。
ウッドサイド・エナジーによると、今回発見したガス田はラカイン州西岸部A-6鉱区のピーティッ1(Pyi Thit-1)坑井で、6月10日から掘削調査を開始し、天然ガスの埋蔵を確認した。坑井は既に4,570メートルの深さに達しているという。同社によるミャンマーでの天然ガス田の発見はこれで3カ所目となる(図参照)。
近年の高い経済成長を支えるためには、電力をはじめエネルギーの確保が重要な課題だが、国内の電力不足は引き続き深刻な状況だ。「グローバル・ニュー・ライト・オブ・ミャンマー」紙(4月26日)によると、国内の電化率はおよそ35%にとどまるとされているが、政府は2030年までに全国民に電気を供給する目標を掲げている。今回のガス田発見で国内への天然ガス供給量が増え、エネルギー不足の改善につながると期待されている。
(2017/9/6 05:00)