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[ 自動車・輸送機 ]
(2017/9/10 11:00)
スウェーデンのボルボ・カーズは8日、自動車関連のコンシェルジェサービスを提供する米シリコンバレーのスタートアップ、ラックス(Luxe)を買収したと発表した。ラックスはスマートフォンアプリを使い、街中での駐車を専属スタッフが請け負うサービスを手がける。ボルボはそれを支える技術やソフトウエアエンジニアを手に入れることで、コネクテッドカー(つながる車)向けのデジタルサービスの開発に役立てる。
2013年設立のラックスが提供するのは、運転者が街中で降りた車を、ベレイ(駐車係)と呼ばれる専属スタッフが近くの駐車場まで持って行ってくれるサービス。運転者がスマホアプリ経由で依頼し、ベレイに車を受け渡すのは街中のどこでもOK。現在、サンフランシスコ、シカゴ、ニューヨークの3カ所でサービスを展開する。
さらに、駐車していた車をベレイが顧客の指定する場所まで乗って行って届けたり、給油、洗車などの依頼にも応じる。運転者は駐車場を探す手間がいらず、街中のどこでも車を降り、好きな場所に自分の車を持ってきてもらえる。今回の買収に伴い、ラックスはボルボの1部門として事業を継続する。
今後、ラックスが保有するソフトウエアや技術、人材といった資産は、車向けのデジタル技術を開発するボルボのシリコンバレー事務所に統合される。それにはルーティング(経路決定)や物流計画、到着時刻予測にかかわる先進的なアルゴリズムも含まれるという。
ボルボでは、ラックスと同じような駐車・引き渡しのほか、顧客に対してさまざまな利便性・サービスを「デジタルカスタマー体験」として提供していく方針だ。
一方で、報道によれば、6月の段階で米配車サービス大手のウーバーがラックス買収を試みたものの、交渉は不調に終わったとされる。
ラックス共同創業者兼CEOのカーティス・リー氏は今回の買収について、自社のブログで数カ月前にボルボからアプローチを受けたことを表明。その上で、ボルボとは未来の車についてのビジョンを共有し、彼らがラックスのビジョン実現を確約してくれたことから、統合を決めたと説明している。
(2017/9/10 11:00)