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[ 自動車・輸送機 ]
(2017/9/18 05:00)
ジーテクトは電気自動車(EV)に搭載するバッテリー用の金属製ケースの実用化に向けて新しい製造技術の開発に乗り出した。現在、おもにハイブリッド車(HV)向けに供給しているバッテリーケースの生産で培ったノウハウを活用しつつ、効率的な量産手法を探る。2020年ごろの量産化を目指す。
バッテリーケースは動力源となる電気をためた電池を収納する。ケース自体が重いと車全体が重くなり、動力に使う電気の量が増えてしまうため、軽くすることが最重要課題となる。
ジーテクトは現在、ホンダのHV向けに鉄製バッテリーケースを供給する。もともと金属製の車体部品を手がけており、製造技術を応用してケースも生産。車体部品とケースをパッケージとして供給できるのが強みだ。
EV向けケースも、HV向けケースづくりで培った技術を生かす。ただ「EVに搭載される電池は、HVに搭載されるものに比べて格段に大きい」(高尾直宏社長)。例えば、日産自動車のEV「リーフ」はケースの大きさがたたみ一畳分もある。ジーテクトの試算では、現在の生産手法でEV用ケースを量産するのにロボット50台以上が必要となり、「工場を1棟新設するような規模で、これでは非現実的」(同)という。現在は溶接や接合技術を改良した新生産法の開発に着手した。
富士経済の調べによると、EVの世界市場は35年には現在比13・4倍の630万台になる見通しで、市場の拡大が予想される。同社の主力取引先であるホンダは30年に世界販売台数の3分の2を、EVなどの電動車両に置き換える方針。サプライヤーとして生き残りを図るために、EVへの対応が必須だ。
(2017/9/18 05:00)