[ 政治・経済 ]
(2017/9/20 05:00)
帝国データバンクは人口減少が日本全体に与える影響について、全国1万265社の88・7%が「マイナスの影響がある」と答えたとする調査結果をまとめた。「プラスの影響がある」は0・6%、「影響はない」は3・1%と非常に低くなっており、企業は人口減少が日本全体の重要な問題と捉えている様子がうかがえる。
自社の属する業界に「マイナスの影響がある」が84・8%だった一方、「プラスの影響がある」は1・5%、「影響はない」は5・4%にとどまった。自社への影響では「マイナスの影響がある」が78・7%、「プラスの影響がある」は1・6%、「影響はない」は9・5%となった。
自社の経営で人口減少が「重要な経営課題である」と答えた割合は45・7%。「経営課題だが、それほど重要ではない」の28・3%を含めると、約4分の3の企業が人口減少を経営課題として考えている。人口減少が顕著な地域ほど「重要な経営課題である」と答えた割合が高くなる傾向があり、企業経営における危機感につながっているという。
人口減少の対応策では「高齢化に対応した商品・サービスの開発・拡充」が17・5%でトップ。以下、「労働力人口の減少に対応した商品・サービスの開発・拡充」が12・7%、「国内の店舗網・販売先等の拡大・充実」が11・9%。
人口減少の対応策を実施する際の阻害要因は「人材確保」が75・5%と突出して高かった。次いで「販路拡大」の32・2%、「技術開発・研究開発」の19・1%が続いた。
帝国データは人口減少社会での経済成長実現には人手不足を補う技術開発、ノウハウの蓄積・継承を進めるとともに、企業が実施する対応策の阻害要因を取り除く政策がカギとなると分析した。
(2017/9/20 05:00)