トヨタ、主任級対象に新制度−残業代保証で１７万円支給

トヨタ自動車は、事務職と技術職の主任級を対象に、残業代に相当する固定額の手当を支給することで、裁量労働に近い働き方を促す新制度を１２月に導入すると正式に決めた。実際の労働時間に関係なく、毎月１７万円（約４５時間の残業代に相当）の手当を支給する上、４５時間を超過した残業代も支払う。残業時間が短いほど適用者にメリットのある制度として、働き方改革や生産性向上につなげる。

トヨタ自動車労働組合（西野勝義執行委員長）が定期大会で採決し、導入が決まった。新制度の名称は、「フリータイム＆ロケーション・フォー・イノベーション」（ＦＴＬ〈Ｉ〉）。対象は主任級全体の約７８００人。本人が申請して上司や人事が承認する。

２０１６年に導入した在宅勤務を適用し、毎週１日だけ２時間の出社は必要とする。年次有給休暇２０日間の取得を促し、そのうち５連休を設けるなど、業務負荷や健康状態に目配りする。トヨタ人事部は「メリハリのある裁量的な働き方を期待する」と話している。