[ 科学技術・大学 ]

九大、プラズマ噴出方向制御−レーザー核融合ロケット、実証成功

(2017/10/31 05:00)

  • レーザー核融合ロケットのイメージ(矢沢サイエンスオフィス提供)

九州大学大学院総合理工学研究院の森田太智助教や山本直嗣教授らは、地球圏の外にある「深宇宙」への有人探査での有力候補技術の一つ「レーザー核融合ロケット」の要素技術の実証に成功した。レーザーと複数の電磁石の組み合わせで、ロケットの推力となるプラズマの排出方向を制御した。プラズマを利用したロケットの磁気ノズルの原理実証を目指す。

四つのコイルを立方体形状に組み合わせた磁気ノズルを作製。直径0・5ミリメートルの樹脂製の球を磁気ノズル付近につり下げ、球にレーザー光を照射した。

レーザー光を照射した球の表面から電子やイオンに分離したプラズマが放出。この時に四つのコイルに流す電流の強度を調節することで、付近の磁場が変わり、プラズマの噴出方向を制御できた。

将来、有人で火星などを探査する際に従来の化学ロケットでは長時間の乗船を強いられ、心理的な負担や宇宙線による被ばくなどの負荷がかかる。もしレーザー核融合ロケットが実現すれば火星との往復期間が150日程度になるという試算がある。

大阪大学レーザー科学研究所や米パデュー大学などとの共同研究。成果は英電子版科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。

(2017/10/31 05:00)

科学技術・大学のニュース一覧

おすすめコンテンツ

ゴム補強繊維の接着技術

ゴム補強繊維の接着技術

事例で解決!SCMを成功に導く需給マネジメント

事例で解決!SCMを成功に導く需給マネジメント

集まれ!設計1年生 はじめての締結設計

集まれ!設計1年生 はじめての締結設計

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン