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[ 自動車・輸送機 ]
(2017/11/2 05:00)
乗用車各社がスポーツタイプモデルのラインアップを強化している。市販車をベースとした身近なモータースポーツ活動を強化するとともに、その成果をスポーツタイプ商品の開発にフィードバックする手法が目立つ。クルマの付加価値を高める一つの方法として確立した感がある。
5日まで開催中の東京モーターショー2017。プレスデー2日目の10月26日にはSUBARU(スバル)のブースにトヨタ自動車の豊田章男社長が現れ、スポーツセダン「WRX STI」の特別仕様車のハンドルを握ってみせた。「四輪駆動車でターボエンジンを積んだこのクラスの車はトヨタにはない。ラリーの練習に使って頂いているようです」と、スバルテクニカインターナショナル(STI、東京都三鷹市)の森宏志取締役開発本部長。
スバルはスポーツブランドのSTIの活用を付加価値向上策の柱に据える。「スバルが提供する『安心と愉しさ』の愉しさを高めるのがSTIの役割」(森取締役)と、位置づけは明確だ。モーターショーでは、WRX以外に「BRZ」のSTI仕様を出品した。
豊田社長のクルマ好きというキャラクターがすっかり定着したトヨタも、モータースポーツ活動を強化中。東京モーターショーには世界ラリー選手権(WRC)や世界耐久選手権(WEC)への参戦車を展示。併せて、ラインアップ強化を打ち出した市販車のスポーツモデル「GRシリーズ」の各車を並べた。
「クルマは単なる移動手段ではない。その楽しさをアピールしたいということ」と、トヨタの小島正清GRモータースポーツ開発部長は話す。今回は電気自動車(EV)へのシフトが注目されるだけに、EV化でクルマがコモディティー(汎用品)化してはまずい、エンジン車の魅力を訴えたいという。
一方、EVでのモータースポーツ強化を打ち出したのが日産自動車。EVによるレース「フォーミュラE」に18年末から参加すると発表した。製品面では新型EV「リーフ」のモータースポーツタイプ「リーフニスモコンセプト」を出品した。
「EVといえば環境に良い落ち着いた車というイメージがある。だが加速性能の高さなど、EVならではのスポーティーさ、エキサイトをもたらす要素があるはずだ」。日産自動車の山根真アドバンストデザイン部デピュティジェネラルマネージャーは訴える。
モータースポーツと一口に言っても、力を入れる分野は各社の戦略によって微妙に異なる。乗用車開発にどう取り入れられていくか各社のアウトプットが注目される。
(2017/11/2 05:00)
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