[ 政治・経済 ]
(2017/11/10 20:30)
【ダナン時事】環太平洋連携協定(TPP)署名11カ国は、10日に予定していた首脳会合の開催を延期した。議長国の日本は、9日の閣僚会合で米国抜きでの新協定「TPP11」で大筋合意に達したと表明したが、カナダが異論を唱えた。安倍晋三首相が同行記者団に明らかにした。
安倍首相は10日、カナダのトルドー首相と2国間会談を行った。茂木敏充経済再生相も同席し、歩み寄りを探ったが、不調に終わった。同国のシャンパーニュ国際貿易相は「大筋合意はしていない」とツイッターに書き込んでいた。
安倍首相によれば、カナダは首脳レベルで大筋合意を確認できる段階ではないとの考えを示したという。
日本の交渉関係者は「隔たりが依然残る課題もある」と認めており、11カ国は10日朝から事務レベル協議を続けている。
首脳会合は、ベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席と安倍首相が共同議長。日本が中心となって新協定の早期発効に向けた首脳声明の採択を調整していた。
日本は9日夜、新協定をめぐる協議が大筋合意したと発表。協定の名称や前文、発効要件などの枠組みを固めたほか、12カ国が2015年に決めた本来の協定のうち米国が戻るまで実施を先送りする「凍結扱い」の項目を集約したとしている。
(2017/11/10 20:30)