[ ロボット ]
(2017/11/13 06:00)
米フォード・モーターは自動車の組み立てラインで働く作業員向けに、上半身用のアシストスーツを試験導入すると発表した。協力関係にある米エクソ・バイオニクスの製品。ラインに吊るされた車の底部に対して作業を行う場合、腕を持ち上げるたびにその重みを支えてくれる。米国内の2工場にまず導入する。
ラインを移動する車の底部に部品を取り付けたり、ネジを締めたりといった、腕を上げた状態での繰り返し作業について、ワーカーの疲労軽減や怪我のリスク低減が狙い。
発表リリースでは、実際にミシガン組み立て工場(ミシガン州)で頭上の作業にアシストスーツを利用している作業員の声も紹介。以前は仕事が終わって家に帰るとたいていは背中や首、肩が痛んだが、導入後はそうでもなく、「孫と遊ぶ元気も残っている」という。
この「エクソベスト(EksoVest)」は、電気やセンサーを使わず、バネの力を利用して作業員が腕を上げる時にその動きをサポート。片腕当たり5~15ポンド(2.2~6.8キログラム)の重みを支える。本体重量は4.3キログラム。
フォードでは米自動車労働組合(UAW)と協力しながら米国内の2工場を手始めに、欧州および南米など米国以外の工場への試験導入も計画している。
2005年創立のエクソ・バイオニクスは医療、産業、防衛向けのアシストスーツを開発するベンチャー企業。ちなみに、カリフォルニア州リッチモンドにある同社の本社は、1931年に開設され、一時は西海岸で最大の自動車工場だったかつてのフォードの工場敷地内に立地しているという。
(2017/11/13 06:00)