[ 自動車・輸送機 ]

スポーツ車に“匠の技”注入 日産、新ブランド「オーテック」展開

(2017/11/27 05:00)

  • セレナオーテックの前で語るオーテックジャパンの片桐社長(右)

日産自動車が日本でスポーツカーのブランド展開を加速する。新たにプレミアムブランド「オーテック」を立ち上げ、国内で近日投入する。従来ブランド「ニスモ」と走りの性能を共有しつつ、上質なデザインや快適さを備えたブランドに位置づける。長年のカスタム事業で培った“匠の技”をスポーツカーにも広げることで、よりスポーティーな志向を持つ国内顧客のハートをがっちりつかむ構えだ。

「日本は顧客の好みが二極化しており、付加価値の高い自動車のニーズが盛り上がりつつある」。オーテックジャパン(神奈川県茅ケ崎市)とニッサン・モータースポーツ・インターナショナル(横浜市鶴見区)の社長を兼務する片桐隆夫氏は、自動車ニーズの変化をこう捉える。

オーテックジャパンは1986年に設立。日産車をベースにしてカスタムカーや福祉車両に仕上げるカスタム技術が最大の強みで、片桐社長は「カスタマイズビジネスの草分け的存在」(片桐社長)と位置づける。新ブランドでは同社の職人の技術を生かして、上質な素材や細部にこだわったデザインに仕上げるほか、ハンドリングと加速性能はニスモと共同開発した上で、乗り味を調整して提供する。

ブランドの第1弾商品として、メタリックシルバーの専用パーツなどを採用したミニバン「セレナ」を近日発売する。それを皮切りに、日産のスポーツ多目的車(SUV)や小型車で順次ブランド展開する。

また将来はオーテックブランドとして内装品を開発し、拡充する。複数の選択肢の中から色や素材を選べるようにすることで、より顧客の個性を盛り込んだ車両として提供できる体制とする。

スポーツカー分野は、トヨタ自動車も新たなスポーツカーブランド「GR」を立ち上げるなど、メーカーの市場深耕に向けた動きが熱を帯び始めている。

片桐社長はオーテックブランドについて、「作るノウハウや顧客との接点の多さはモノづくりと商品企画の両面で一つの財産」と強調。長年のカスタム事業の経験と知見を武器に、市場活性化を牽引(けんいん)する構えだ。

(2017/11/27 05:00)

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