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[ 科学技術・大学 ]
(2017/12/6 05:00)
静岡大学の安藤雅孝客員教授、北村晃寿教授らと琉球大学、東京大学、産業技術総合研究所などは、沖縄県の先島諸島で、1771年の「八重山地震」に伴う巨大津波と同規模の津波が、過去2000年間に約600年間隔で4回発生していたことを示した。
津波で海底や浜辺から陸上に運ばれた「砂質津波堆積物」の分布を決定できる場所を先島諸島で初めて見つけ調査。プレート境界面での地震発生メカニズムの解明、また有効な防災対策につなげられる。
砂質津波堆積物の分布から、津波が内陸のどの地点まで来たかを示す遡上(そじょう)高が分かる。研究グループは、津波堆積物の年代を特定し、最大遡上高30メートルの八重山津波と同規模の津波が繰り返し発生したことを確認した。
また、八重山地震が激しい地震動を伴う「巨大地震」だった可能性を示した。調査用溝内で、地震動による地割れの痕跡を多く発見した。これまでは津波の大きさに比べ地震動の小さい「津波地震」とされてきた。
先島諸島周辺の琉球海溝南西部は、プレートが強く固着した南海トラフなどと違い、蓄積したひずみは大地震を伴わずゆっくりとしたすべりなどで解放されると考えられている。静岡大の北村教授は「今回、固着が弱いプレート境界でも巨大地震が起こることが示された意義は大きい」と話している。
(2017/12/6 05:00)
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