[ 政治・経済 ]
(2017/12/7 16:00)
【ワシントン時事】トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認め、米大使館のエルサレム移転指示を決断した際、ティラーソン国務長官らの警告を退け、ペンス副大統領や大口献金者ら政権内外の賛成派の意見を受け入れていたことが分かった。米紙ワシントン・ポスト(電子版)が6日報じた。
政権内では、ペンス氏のほかヘイリー国連大使、トランプ氏の娘婿クシュナー大統領上級顧問が大使館移転に賛成した。トランプ氏は昨年の大統領選で移転を公約に掲げており、ペンス氏とクシュナー氏は「支持層は移転の決定を気に入る」と助言した。
イスラエルのネタニヤフ首相の支援者でトランプ氏に高額献金を行ってきたユダヤ系米国人のカジノ王シェルドン・アデルソン氏も決断を後押ししたという。
一方、ティラーソン国務長官とマティス国防長官は治安上の懸念から移転に反対してきた。ティラーソン氏は、2012年にリビア東部ベンガジで起きた米領事館襲撃事件を念頭に、大使館移転が中東で危険な連鎖を引き起こしかねないと主張したという。
11月27日にホワイトハウスで行われた会合で、トランプ氏は選挙公約に従う必要があると主張。治安上の理由による反対意見にいら立ちを見せたという。移転指示の最終的な決定は「和平プロセスではなく、公約に突き動かされた決断だった」(政府高官)とポスト紙は伝えている。
首都承認はイスラエルの国益-バノン氏
【ワシントン時事】米国のバノン前首席戦略官・上級顧問は6日、河井克行自民党総裁外交特別補佐とワシントンで会談した。バノン氏はトランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認めたことに関し、「米国にとって大事な同盟国であるイスラエルの国益にかなう」との認識を示した。河井氏が記者団に明らかにした。
バノン氏はまた、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長について「合理的で計算高い人物だ」と指摘。米国が北朝鮮を軍事攻撃する可能性について「現段階で予想される犠牲が大きい」として、慎重な見方を示した。
(2017/12/7 16:00)