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[ 建設・住宅・生活 ]
(2017/12/11 12:00)
大林組は否定
リニア中央新幹線の関連工事をめぐる入札不正疑惑で、偽計業務妨害容疑で大手ゼネコン大林組を捜査している東京地検特捜部が、同社が競合他社と個別に受注調整した疑いがあるとみて調べていることが11日、関係者への取材で分かった。
一方、大林組土木部門トップの副社長(66)や現場の担当者らは、任意の事情聴取に「受注調整はしていない」と述べ、容疑を否定したもようだ。特捜部は、別の大手ゼネコン「鹿島建設」(東京都港区)の担当者らからも事情を聴いており、疑惑の全容解明を進めている。
関係者によると、特捜部は8日、大林組本社などを家宅捜索。副社長も含めた工事担当者らの事情聴取を始めた。
民間業者が発注する事業で複数の業者が事前に話し合い、受注予定者を決める談合行為は独禁法違反に問われる。特捜部は今回のケースについて、受注を希望する業者全体が関与する談合ではなく、大林組が他社と個別に受注を調整し、事業主体のJR東海の業務を妨害した疑いで捜査しているもようだ。
JR東海はこれまでに東京―名古屋間でトンネル、駅、非常口の建設など計22件の工事をゼネコン各社と契約。大林組の共同企業体(JV)は品川駅と名古屋駅の2件に加え、非常口の工事2件を受注した。他の工事では清水建設、鹿島建設、大成建設といった大手のJVなどが受注している。
関係者によると、特捜部の事情聴取に対し、大林組の担当者らは「トンネル工事が得意など各社の強みが出た結果として受注企業が異なっただけで、調整はしていない」と説明しているという。
鹿島建設は取材に対し「社員が任意で特捜部による聴取に応じている。家宅捜索は受けていない」と話した。(時事)
(2017/12/11 12:00)