[ その他 ]
(2017/12/12 05:00)
■アクセスランキング・ベスト10(12/4~12/10)
1位 【電子版】「別の開発費に使用」PEZY・斉藤容疑者 助成金不正受給認める(更新)
2位 【電子版】スパコンベンチャー「PEZY」 代表ら逮捕 助成金4億円詐取容疑-東京地検
3位 24万km先の宇宙に、地球の水素原子大気 立教大が撮影成功
5位 窒化ガリウムパワー半導体実用化へ 東芝がプロセス技術開発
6位 【電子版】上限まで水増しか 「PEZY」に家宅捜索―東京地検(更新)
7位 完全自動運転EV、ティアフォーがエヌビディアと連携開発
8位 JAXA、種子島宇宙センターに「H3」射場設置 打ち上げ間隔半減へ
9位 【電子版】長距離巡航ミサイル「JASSM-ER」の導入検討―政府
10位 発電施設の電気、一部で送電線に送れず ソフトバンク・孫社長の批判と電力大手の言い分
■解説:【電子版】「別の開発費に使用」PEZY・斉藤容疑者 助成金不正受給認める(12/7)、【電子版】スパコンベンチャー「PEZY」 代表ら逮捕 助成金4億円詐取容疑-東京地検(12/5)
日本のベンチャーの開発するスーパーコンピューター「暁光(Gyoukou)」が演算性能で世界4位、国内では1位に-。11月13日に発表されたスパコン性能ランキング「トップ500」でのこうした快挙もつかの間、開発会社ペジーコンピューティング(東京都千代田区)の経営者が詐欺事件の容疑者として逮捕される異例の事態となった。不正は絶対に許されるものではないが、逮捕された斉藤元章容疑者はハイテク分野で近年まれにみる成果を叩きだしていただけに、残念というほかない。
偶然にも今年9月に同容疑者の講演を聞く機会があった。その中で彼は「近いうちに個人レベルの知性がテクノロジーと融合し、新しい知性が生まれる。いずれは73億人すべての人間の脳がつながり、それが惑星、銀河系規模にまで広がる」など技術が導く人類の未来を滔々と話し、来場者はあっけにとられた。
「パラノイア(偏執狂)だけが生き残る」との名言を残した元インテルCEOのアンディ・グローブを引き合いに出すまでもなく、時にはイノベーションで世界を変えてしまうハイテクベンチャーの経営者は、常識人であっては到底務まらないのだろう。「現実歪曲空間」と称された無茶ぶりで社員に罵声を浴びせ、精神的にとことん追い詰めながら機能やデザインの優れた製品を次々に送り出したアップル共同創業者のスティーブ・ジョブズは、人格破綻者だったとも言われている。
今になってみれば、斉藤容疑者の壮大なビジョンと、(金額は大きいが)ちっぽけな不正との落差はあまりにも大きい。動機解明を含め、捜査の進展を待ちたい。
(2017/12/12 05:00)