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[ 化学・金属・繊維 ]
(2017/12/15 22:30)
【北京時事】中国財政省は15日、鋼材の輸出税を2018年1月1日に撤廃すると発表した。輸出促進が狙いかは不明だが、中国で過剰に生産された鉄鋼製品が安値でさらに海外にあふれ出し、日米欧など世界各国の反発が一段と強まる可能性がある。
同省は撤廃の理由として「輸出状況の変化」などを挙げた。中国の鋼材輸出量は17年1~11月が前年同期比3割減と大きく落ち込んでおり、国内需要が旺盛なことが背景にある。輸出税は国内向け供給を優先するための制度で、中国ではさまざまな物品に課されている。
日本、米国、欧州連合(EU)は今週、アルゼンチンで開かれた世界貿易機関(WTO)の閣僚会議に合わせ、中国の鉄鋼の過剰生産を念頭に連携強化で合意。これに対し中国は「先進諸国が共同で途上国に圧力をかけるやり方に反対する」と不快感を示していた。
ただ、中国の鉄鋼メーカーは現在、需要が多く価格も高い国内向け出荷を優先している状況で、この撤廃で海外向けが増えるかは不明。「税の還付をなくすなど制度簡素化の一環かもしれない」(鉄鋼業界関係者)との指摘もある。
(2017/12/15 22:30)