[ 政治・経済 ]
(2017/12/21 13:00)
【ワシントン時事】米商務省は20日、カナダの重工業大手ボンバルディアの旅客機が不当に安く米国に輸出されているとして、反ダンピング(不当廉売)関税などの制裁措置を適用する方針を最終決定した。米国際貿易委員会(ITC)が来年2月に米企業の被害を認定すれば確定する。
米国とカナダの通商摩擦が強まれば、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉の行方に影響を及ぼす可能性もある。
対象はボンバルディアの「Cシリーズ」(座席数100~150)で、反ダンピング関税(79.82%)と輸出補助金に対する相殺関税(212.39%)を適用する。米航空大手ボーイングが政府に対応を求めていた。
報道によると、カナダ政府は制裁関税に反発しており、世界貿易機関(WTO)の紛争解決手続きを通じて争う構え。同国のフリーランド外相は20日、「保護主義からカナダの企業、労働者を守る」と表明した。一方、ロス米商務長官は声明で「公正な審査に基づき決定した」と主張した。
貿易不均衡の是正を掲げるトランプ政権は、他国製品の流入増を抑制するため、積極的に制裁関税を適用すると表明している。
(2017/12/21 13:00)