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[ 環境・エネルギー ]
(2017/12/22 11:30)
関西電力は22日午前、臨時取締役会を開き、大飯原発1、2号機(福井県おおい町)の廃炉を決めた。岩根茂樹社長はその後、福井県庁で西川一誠知事と会談し、2基の廃炉を報告。「安全や品質の確保を最優先に考えた結果だ」と説明した。同社は来年、廃炉に向けた具体的な計画を国に申請する。
1、2号機の出力はいずれも117・5万キロワット。東京電力福島第1原発を除き、100万キロワット以上の大型原発が廃炉になるのは初めて。
岩根社長は会談後、記者団に対し、2基に国の安全審査に合格するための対策を施した場合、点検や保守の際に必要となる格納容器内の作業区域が一段と狭くなると指摘。このため、「安全で確実な作業と品質を保つことが難しい」と廃炉にする理由を語った。対策工事の費用については「試算していない」と述べた。
岩根社長は会談で、同じ敷地内で大飯原発3、4号機を再稼働させる一方、1、2号機の廃炉作業を進めることについて「当社として初めての状況で、安全最優先の廃止措置計画を作成する」と強調した。
これに対し、西川知事は「運転を終了してもプラントの安全確保が最優先だ」と述べた上で、「地元として支えたおおい町や経済に大きな影響が出ないよう配慮をお願いしたい」と語った。
2基は2019年に運転開始から40年が経過する。原発の稼働期間は原則40年。原子力規制委員会が認めれば、1回に限り最長20年の延長が可能だが、2基は特殊な構造で再稼働に必要な安全対策の工事費もかさむ見通しだった。(時事)
(2017/12/22 11:30)