[ ICT ]
(2017/12/22 12:00)
(ブルームバーグ)米アップルがスマートウオッチ向けに進化させた心臓モニター機能を開発中だと、複数の関係者が明らかにした。2015年に発売したアップルウオッチの位置づけを高価なアクセサリーから医療関連デバイスに変えようとする動きの一環という。
関係者の1人によるとテスト中のモデルでは、スマートウオッチをはめていない方の手の指2本でフレームを強く押すと、胸部に微弱電流が流れて心臓の電気信号を読み取り、心臓発作や心不全などのリスクを高める不整脈などの異常を探知する。
心電図やエコーといった検査は病院や救急車でよく行われるものの、短時間の測定に限られるため、潜在的な異常の探知には限界がある。ホルター心電図などのウエアラブル型の機器もあるが、連続測定は長くて数日が通常だ。現在のアップルウオッチには心拍数測定モニターが搭載されているが、アップルは単にデータを残すだけでなく、最先端のセンサーを使って将来の病気予測に役立てようとしている。
非公開の計画であることから匿名を条件に語った関係者によれば、開発は進行中で、アップルが将来の製品に技術を搭載しない決定を下す可能性もある。同社広報担当のエイミー・ベセット氏はコメントを控えている。
ヘルスケア分野の産業規模は、新たな成長市場を探すハイテク企業にとって魅力的。ブルームバーグが集計したデータによれば、米国のヘルスケア支出は16年の約3兆5000億ドル(約397兆円)から25年までに5兆5000億ドルに拡大する見込み。グーグルの親会社アルファベットはヘルスケア事業を2部門持ち、アマゾン・ドット・コムは20年間近く、医薬品への参入をうかがっている。
(2017/12/22 12:00)