[ 機械 ]
(2017/12/26 19:00)
美的傘下で分野拡大、中国で首位目指す
ドイツの工業大手クカは自動車生産に使われるロボットのメーカーとして世界最大手だ。それでもティル・ロイター会長兼最高経営責任者(CEO)は懸念を抱いている。
理由はごく単純。同CEOによると、ロボットは自動車業界向けの伸びが3-5%にとどまるのに対し、それ以外の業界向けは10%を超える。同氏が就任した2009年にはクカのロボット事業の売り上げの80%が自動車向けだったが、現在では約50%に低下したという。
クカは大きな転換を目指しており、それが成功すればロボット市場の中で成長がより速い分野の拡大が可能になる。創業120年の同社は今年1月、世界最大級の家電メーカーである中国の美的集団傘下に入った。
製品分野が拡大すれば、電子製品の製造現場や物流倉庫などで使われる、より小型で動きの速いロボットの生産につながる。ロイターCEOは中国・広州で今月行ったインタビューで、この他にも電気自動車の所有者向けに充電を行ったり、高齢者の自宅での自立した暮らしを可能にしたりするロボットが構想にあると述べた。
同CEOは「中国で首位になりたい」と発言。現在の中国での売上高は5億ユーロ(約670億円)だが、20年までには10億ユーロを「はるかに超える」だろうと述べた。産業用ロボット市場では世界的にABBとファナックがクカの最大の競争相手。中国市場ではまた、地元勢が海外ブランドの3分の1程度の価格で販売している。(ブルームバーグ)
(2017/12/26 19:00)