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[ 科学技術・大学 ]
(2018/1/4 05:00)
(出典:航空自衛隊 http://www.mod.go.jp/asdf/)
2022年度、航空自衛隊に誕生
防衛省は2022年度に、宇宙ごみ(スペースデブリ)を常時監視する部隊を航空自衛隊に新たに発足させる。デブリが人工衛星に衝突するのを防ぐのが狙い。同省は宇宙の状況を24時間体制で監視する新システムを構築中で、23年度の運用開始を目指す。
地球の周囲を周回する宇宙ごみは、故障した衛星やロケット、衛星同士の衝突で発生した破片。07年の中国の衛星破壊実験や09年の米ソの衛星同士の衝突で増加しており、政府関係者によると、10センチメートル以上のデブリは約2万個ある。デブリは秒速7キロメートル程度の高速で移動しているため、「10センチの大きさでも、ぶつかれば死活的ダメージを受ける」(防衛省)という。
監視システムは、情報収集用レーダーと、情報解析用コンピューターで構成される。海上自衛隊の山陽受信所跡地(山口県山陽小野田市)に設置するレーダーが衛星周辺のデータを取得。得られたデータを空自府中基地(東京都府中市)に転送し、監視部隊がデブリの軌道などを分析する流れだ。デブリが衛星に接近すると判断すれば、衛星の運用を委託している会社を通じ、軌道を修正する。
防衛省は11年度ごろから米コロラド州の空軍基地に職員や自衛隊員を継続的に派遣し、「宇宙業務課程」を履修させている。新設する部隊員も同基地に派遣し、宇宙に関する知見を習得させる。
防衛省は、自衛隊間の情報伝達のため独自の周波数帯「Xバンド」を活用する通信衛星「きらめき2号」を保有しており、22年度までに3機に増やす方針。安定的な運用には、監視体制の充実が不可欠となっている。(時事)
(2018/1/4 05:00)