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[ 科学技術・大学 ]
(2018/1/11 05:00)
防衛大学校情報工学科の滝田好宏教授らは、空間計測用のレーザーセンサーの計測点を10倍以上に増やす技術を開発した。レーザーセンサーはレーザーを回転させながら距離を測る。レーザーセンサー本体を揺り動かして、センサーの角度と揺動の角度をずらして実質的に計測点を増やす。広い空間を計測すると計測点がまばらになる課題を解決する。土木測量に提案する。
レーザーセンサーは複数本のレーザーを角度を付けて照射し、回転させることで周辺の空間を計測する。16本のレーザーを角度2度の間隔で照射すると照射角30度の範囲を計測できる。だが半径100メートルの空間を計測する場合、レーザーの隙間は約3・5メートル開いてしまう。
滝田教授らの開発した技術は、レーザーの回転周期とレーザーセンサー本体の揺動の周期をずらして、従来は隙間になっていた空間にレーザーを照射する。
回転周期のずれをソフトウエアで補正して三次元化する。1点当たりの計測間隔はまばらになるが計測点を増やせるため、データが緻密になり精度の高い三次元モデルが得られる。
ポールの先にレーザーセンサーをつけて空間を測量する用途に提案する。機構と補正処理が単純なため安価にシステム構成できるという。レーザーセンサーは高価だったが自動車への搭載増で価格が下がり、さまざまな産業分野への普及が期待されている。
(2018/1/11 05:00)