[ 商社・流通・サービス ]

【電子版】IBMとマースク、ブロックチェーンで合弁会社 貿易手続き効率化のシステム提供

(2018/1/17 11:30)

  • IBMとマースクは、ブロックチェーン技術を使い海運での貿易手続き効率化を狙う(マースク提供)

米IBMと海運世界最大手、デンマークのA・P・モラー・マースクは16日、ブロックチェーン技術を活用した貿易情報ソリューションの合弁会社を設立すると発表した。積み荷の受け渡しや通関について、これまで文書で行っていた手続きをデジタル化し、情報をより効率的かつ安全に、リアルタイムで管理運用できるようになるという。

新会社はニューヨークに本社を置く。ブロックチェーンとクラウドコンピューティングに加え、新しいソリューションには人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)、アナリティクスなどの技術も盛り込む。規制当局の認可を受ける必要があるが、システムは半年以内に提供可能となる予定。税関当局や多国籍企業などへの提供を見込み、米ゼネラル・モーターズ(GM)や米プロクター&ギャンブル(P&G)、物流・運送会社などが関心を示しているという。

これに先立ち、IBMとマースクは2016年6月から協力し、ブロックチェーンとクラウドによる貿易管理運用システムの開発をスタート。現在では、米デュポンやダウ・ケミカル、スウェーデンのテトラパック、米ヒューストン港湾当局、オランダ税関、米税関・国境警備局などが両社のソリューションを試験運用している。

両社の発表によれば、海運によって年間4兆ドル(約440兆円)以上の積み荷が出荷され、日常使われている製品の8割以上が船で運ばれているという。ただ、グローバル物流での最大のコストとなっているのが積み荷の受け渡しや通関にかかわる文書手続きと管理運用の部分で、全体の運送コストの約20%を占めると推定されている。

そのため、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)を主催する世界経済フォーラムからは、こうしたコストが軽減されれば、世界貿易は15%近く拡大し、経済が活性化するとの見通しも出ている。

(2018/1/17 11:30)

おすすめコンテンツ

ゴム補強繊維の接着技術

ゴム補強繊維の接着技術

事例で解決!SCMを成功に導く需給マネジメント

事例で解決!SCMを成功に導く需給マネジメント

集まれ!設計1年生 はじめての締結設計

集まれ!設計1年生 はじめての締結設計

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン