[ ICT ]
(2018/1/18 14:00)
米アップルは17日、国外に滞留させている巨額の資金を本国に戻すのに伴い約380億ドル(約4兆2000億円)の税金支払いを見込んでいると明らかにした。
同社は今後5年間に米国内で300億ドルの設備投資を行うほか、既存の施設や開設予定の新キャンパスで2万人の雇用を新規に創出する計画。同社の株価は17日、前日比1.7%上昇し、最高値179.10ドルを付けた。
ティム・クック最高経営責任者(CEO)は17日の発表資料で、「雇用創出や雇用の準備に直接影響を与え得る分野に投資を集中していく」と述べ、教育プログラム加速に向けたプランも示唆した。
事情に詳しい複数の関係者によると、アップルは米国の新税制を受けて1人当たり2500ドル相当の株式ベース賞与を支給すると従業員に同日伝えた。
昨年12月に成立した米税制改革法は1986年以来最大規模の税制改正で、議会は米企業の海外利益を米国に還流させるまで国内での納税の先延ばしを認めた従来の制度を廃止。新税制では海外留保利益に対し二層式の課税方法を導入し、現金については15.5%、低流動性資産は8%の税率を適用することにした。
トランプ大統領、アップルを称賛 米国に「非常に大きな勝利」
新税制を受けて行動を起こした米主要テクノロジー企業はアップルが初めて。同社やインテルなどの企業は、トランプ米大統領らから米国の労働者や製造業を無視していると批判されていた。雇用創出を選挙公約の重要な柱としていた同大統領は17日のツイッターへの投稿で、「私の政策はアップルなどの企業による米国への大量資金還流を可能にすると約束していた」と指摘し、「減税の結果としてのアップルの行動を目にしてうれしい。米国人労働者と米国にとって非常に大きな勝利だ」とコメントした。
アップルの海外留保資金は米企業最大で、昨年9月末時点で約2520億ドル。税率からみて、アップルは海外留保資金の大部分を米国に還流させる可能性が高い。(ブルームバーグ)
(2018/1/18 14:00)