[ 政治・経済 ]
(2018/1/23 10:30)
【エルサレム時事】中東歴訪中のペンス米副大統領は22日、エルサレムにあるイスラエル国会で演説し、「われわれの政権はエルサレムに来年末までに米大使館を開く」と宣言した。トランプ米大統領は昨年12月、エルサレムをイスラエルの首都と認め、商都テルアビブにある米大使館のエルサレム移転を指示したと発表したが、トランプ政権が具体的な期限に言及したのは今回が初めて。
パレスチナが反発を強めるのは必至で、イスラエルとの和平交渉の再開の見通しがさらに不透明になった。
ペンス氏は演説で「イスラエルとパレスチナの恒久的な和平実現に向けて尽力する」と改めて米政権の立場を強調。また、「和平は対話を通じてのみ実現される」と述べ、パレスチナ側にイスラエルとの交渉の席に戻るよう促した。
キリスト教福音派のペンス氏はエルサレムの首都認定に際して大きな役割を果たしたとされる。第3党のアラブ系政党の議員らはペンス氏に向かって抗議の声を上げ、議場から追い出された。
演説に先立ち、ペンス氏はイスラエルのネタニヤフ首相と会談し、両国関係や中東和平交渉の再開に向けた取り組みを協議した。
一方、パレスチナ自治政府のアッバス議長は「もはや米国は和平交渉の仲介役ではない」と繰り返し非難しており、ペンス氏との会談も拒否した。
首都認定以降、パレスチナ各地で断続的に抗議デモが行われ、AFP通信によれば、イスラエル治安部隊との衝突などでパレスチナ人少なくとも17人が死亡。イスラエル人1人も死亡した。ペンス氏の訪問に合わせ、23日にはパレスチナ各地で、抗議のゼネストが行われる予定だ。
(2018/1/23 10:30)