[ その他 ]
(2018/1/24 05:00)
知的財産は企業にとって競争力の源泉だ。裏を返せば、常に狙われるリスクをはらむ。OECD(経済協力開発機構)によると、2013年に世界の模倣品、海賊版の流通総額は約4600億ドル(約50兆円)、世界貿易額の約2.5%に達する。模倣品や海賊版が世界中にあふれかえる中で知財をいかに守っていくかも、知財経営では避けられない課題だ。
【徹底的に戦い続ける】
「模倣品を絶対に許さない」「徹底的に戦い続ける」−。
ブランド開発カンパニーを掲げるMTG(名古屋市中村区)の基本方針だ。サッカー選手のクリスティアーノ・ロナウド氏と共同開発したトレーニングギア「SIXPAD(シックスパッド)」やビューティーブランド「ReFa(リファ)」などでニセモノが後を絶たない。
【“ブランドにキズ”危惧】
MTGは自社サイトで、逮捕・摘発・訴訟・税関差し止めの事例を生々しい写真などとともに紹介し注意を喚起している。長谷川徳男執行役員は「顧客が模倣品と知らずに使って被害を受けることを防ぎたいことはもちろん、本物であると勘違いされブランドにキズが付くことも危惧している」と話す。
MTGでは中国で現地調査会社と連携し、当局に要請して模倣業者の摘発などを進めている。例えば16年9月は「SIXPAD」の模倣品業者を摘発。11月には中国のウェブサイトで販売されていた「ReFa」の美容ローラーの模倣品製造拠点を突き止めた。犯人は逮捕され、完成品1200台を含む5500点以上の部品などを押収した。
【模倣品販売「9198サイト」削除】
「16年度に意匠権の行使による日本での税関差し止めの78%をMTGの商品の模倣品が占めた」(長谷川執行役員)。模倣品販売の「ウェブ対策」も極めて重要。協力会社の力も借り17年9月期に9198サイトを削除した。容疑者を特定できない場合が多いが、地道な作業を続ける。
MTGの特許・意匠・商標の全世界での出願件数は、17年11月時点で約2200件。徹底抗戦できるのは松下剛社長が「模倣品は絶対に許さない」という強い意志を持っているため。
知的財産部ブランド保護課の林政克課長は「経験することで分かることがある」と、会社として模倣品対策の成長を実感する。
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(2018/1/24 05:00)
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