[ 政治・経済 ]
(2018/1/24 14:30)
米上院は23日の本会議で、トランプ大統領が昨年11月に次期連邦準備制度理事会(FRB)議長に指名したパウエル理事の人事を承認した。2月3日が任期満了のイエレン議長の後任に就任する。
採決結果は賛成84、反対13でおおむね超党派の支持が集まった。プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社カーライル・グループのマネジングディレクターを務めた経歴を持つパウエル氏の人選は、女性初のFRB議長であるイエレン氏の政策路線を継承するものと広く受け止められている。当初の投票集計は賛成85、反対12と発表されたが、民主党のダイアン・ファインスタイン議員がその後、賛成から反対に切り替えた。
米連邦準備制度は重要ポストの交代時期にあり、ホワイトハウスは昨年10月に退任したフィッシャーFRB副議長の後任を探しているほか、ニューヨーク連銀では今年半ばに退任の意向のダドリー総裁の後任探しが進められている。
FRB議長人事を巡っては、過去30年の歴代大統領は自身の党とは別の党の前任者が指名した議長を再任してきたが、トランプはこの慣例には従わなかった。パウエル氏はイエレン氏が主導してきた政策金利の緩やかな引き上げを強く支持する一方、金融危機後に導入された金融規制の緩和を求めるホワイトハウスに理解を示してきた。
パウエル氏は2012年にFRB理事に就任して以降、議長の支持する政策に反対票を投じたことはなく、昨年11月28日の上院銀行委員会での指名承認のための公聴会では、米労働市場には一段の拡大の余地があるかもしれないとの見方を示唆し、金融当局内のハト派に同調する姿勢を示した。
パウエル氏は労働市場について、「もっとスラック(たるみ)があって、再び職に就くことができる人々がさらにいるかもしれない。失業率が4%を割り込むような経済情勢にある」と語っていた。
イエレン氏は30、31両日に任期最後となる連邦公開市場委員会(FOMC)を率いる。
パウエル氏のFRB議長就任に反対票を投じたのは共和党のマルコ・ルビオ、テッド・クルーズ両議員や民主党のエリザベス・ウォーレン議員、無所属のバーニー・サンダース議員ら。(ブルームバーグ)
(2018/1/24 14:30)